投手戦演じた宿敵エースが田中将大に脱帽「誰よりもタフなピッチャー」
自身も9回途中3失点と力投するが打線の援護なく敗れる
27日(日本時間28日)にレッドソックス本拠地フェンウェイパークで行われたヤンキース-レッドソックスの“伝統の一戦”。レッドソックス先発はエース左腕クリス・セール、ヤンキースはエース右腕の田中将大がマウンドに上がるとあって、試合開始前から大きな注目を集めていた。その大一番で両投手は期待を裏切らない投手戦を展開。両者ともに9回までマウンドに上がったが、田中が3安打無四球無失点の完封劇を演じ、3-0で投げ勝った。
4回にホリデーに犠飛を許して1点を失い、9回には先頭から3連打を許して2点目を献上したセールは、1死も奪えずに降板。中継ぎがセールの残した走者1人を返したため、8回0/3を投げて8安打3失点(自責2)で黒星を喫した。レッドソックスの地元中継局「NESN」によれば、試合後に取材に応じたセールは「彼がああいう投球をする時は誰よりもタフなピッチャーになる」と、ヤンキース投手として16年ぶりとなるレッドソックス戦完封を果たした田中に脱帽したという。
さらに「低めの制球を徹底していたし、あれこそ彼のようなタイプの投手が目指すべきこと」と、田中が見せた打たせて取る省エネ投法を称賛。同時に、打線の援護が得られなかったものの、9回には3連打を浴びてしまった自身の投球を反省し、「何よりも自分が尻つぼみになってしまった。それだけだ」と話したそうだ。
この日は不運にも敗れたセールだが、今季は5試合に先発して1勝2敗、防御率1.19の好成績をマーク。与四球数はわずか「6」なのに対し、52奪三振を記録するなど圧倒的な投球を見せている。今季からレッドソックスに加入した左腕とは、これが初めての投げ合いになった田中だが、同地区ライバル球団のエース同士として、これから度重なる名勝負でファンを楽しませてくれそうだ。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count