指揮官が信頼を寄せる楽天森原 プロ初勝利後に宣言「新人王を獲りたい」
今季15試合登板で失点はわずか1、梨田監督「どんどん使っていきたい」
楽天のルーキー、森原康平投手が30日の日本ハム戦(札幌ドーム)でうれしいプロ初勝利を挙げた。1-1の同点で迎えた8回に2番手で登板し、1番から始まる上位打線をピシャリ。わずか8球で打ち取り、チームに流れを呼び込むと、9回に敵失で決勝点が入った。
ウイニングボールを手にした森原は「すごくうれしいです。(初勝利は)思っていたよりもすごく早い。ボールは実家のおじいちゃんにあげます。野球を始めた頃にキャッチボールをしたり、ノックをしてもらったので」と笑みをこぼした。
新日鉄住金広畑からドラフト5位で入団した25歳右腕は、勝利の方程式の一員として首位を走るチームを支えている。すでに15試合で14回1/3を投げ、被安打5で失点は1。梨田昌孝監督は「球数が少なく、安定している。バッターにスピードを感じさせているように見える。状態を気にしながら、どんどん使っていきたい」と厚い信頼を寄せる。
140キロ中盤から後半の直球で打者を詰まらせる技術について、森原は「フォームの中で“間”を意識して投げています。しっかり粘って投げたら、スピードよりも速く感じるんじゃないかと思って」と自己分析する。
アマチュア時代には経験したことのないリリーフでの連投にも「慣れてきて、疲れはないです」と頼もしい。今季の目標を問われると「新人王を獲りたいです」と即答したルーキー。その夢に確実に一歩ずつ近づいている。
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石川加奈子●文 text by Kanako Ishikawa