昨季最多勝の広島野村が5月初戦で2勝目 緒方監督は絶賛「最高の投球」
3、4月は好投続きも1勝、5月は好スタート「まだまだこれからです」
広島の野村祐輔が2日の中日戦に先発し、7回2失点の好投で2勝目を挙げた。昨季最多勝の野村だが、3、4月は好投しながらも打線との噛み合わせが悪く、1勝にとどまっていた。5月最初の試合で好スタートとなったが、野村は「まだシーズンは6分の1が終わったぐらい。まだまだこれからです」と先を見据えていた。
野村は「なんとかゲームを作れたのでよかった」と控えめに振り返ったが、緒方監督は「ボールを低めに集めて、ゴロを打たせる投球で7回2失点。最高の投球だった」と、エースの投球を絶賛した。
立ち上がりの先頭打者に対して、いきなり3ボールとなったが「フォアボールだけは出したくなかった」と2球ストライクで立て直し、内野ゴロに打ち取って波に乗った。
3回までは全て3者凡退と完璧な内容も、4回に連打で1死二、三塁のピンチを迎え、内野ゴロの間に先制を許した。それでも「あの場面での内野ゴロでの1点はOK」と割り切り、同じような場面で2失点した4月18日のDeNA戦を振り返って「同じ失敗はしたくなかった」と口調を強めた。
前回登板の巨人戦では、8回1失点と好投しながら、菅野の完封劇の前に負け投手となった。4月はなかなか勝ちがつかない試合が続いたが、緒方監督は「カードの頭に投げるので、相手もいい投手が出てくる。難しい面もあるが、前回や今回のような投球を続けていけば、ウチの打線ならなんとかしてくれるはず。勝ち星は意識しないで投げてくれればいい」と、投球内容は評価。野村も「勝ちがついたのは嬉しいが、カードの頭をとることが大事なので、それができてよかった」と、役割を十分認識している。
ジョンソンが離脱中で、投手陣を引っ張る立場にあるが、安定感の抜群のエースの勝ち星が増えれば、チームの首位の座も安泰になるはずだ。
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大久保泰伸●文 text by Yasunobu Okubo