広島、相手ミスから「捕まえにくい投手」攻略 変わらぬ一戦必勝のスタイル
ビシエドの落球から怒涛4連打、緒方監督「3巡目でうまくアジャストしてくれた」
広島は2日、マツダスタジアムで行われた中日戦に5-2で勝利した。相手のミスにつけ込んでの逆転勝ちに、緒方監督は「5回の集中打で、大きなビッグイニングになった」と打線の勢いに満足そうだった。
「今日は(野村)祐輔だよ。最高の投球をしてくれた」と、まずは7回2失点のエースを褒めた緒方監督だが、立ち上がりから苦戦した中日先発の鈴木を攻略した打線を評価した。4回までは毎回、四球で走者を出したが、ヒットはわずか1本で得点は奪えなかった。緒方監督は「適度に荒れた中で、質のいい真っ直ぐに、要所でフォークもあった」と相手先発を分析し、「捕まえにくい投手だったと思うが、打線が3巡目でうまくアジャストしてくれた」と感心していた。
鈴木の同点タイムリーの後、エルドレッドは初球を打ち上げたが、一塁手のビシエドがファールグラウンドで落球し、そこから怒涛の4連打で5点を奪った。勝ち越しタイムリーの新井、追加点となる2点3塁打を放った安部が「みんながつないでくれたチャンス」と口を揃えたように、つなぎの打線の真骨頂を発揮したイニングだった。
「安部も石原もよく打ってくれた」と喜んだ新井が「カードの初戦を取れたのでよかった。月が変わっても、また1試合1試合、やっていくだけ。それはずっと変わらない」というように、昨年25年ぶりのリーグ優勝につながった一戦必勝のスタイルは、今年も変わらないようだ。
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大久保泰伸●文 text by Yasunobu Okubo