ロッテに明るい風、猪本が連敗脱出に貢献 3年ぶり安打には「泣きそう」

伊東監督も「明るいキャラ」に期待、声出しでは「鯉のぼりが終わったので、鰻登りで」

 ロッテの伊東監督が「キャラが明るい。(チームの暗い)雰囲気を変えてくれれば」(伊東監督)と「子供の日」の5日に柴田とともに移籍後初昇格させたロッテ猪本健太郎内野手(26)。6日のソフトバンク戦に「7番・一塁」で初スタメン。古巣相手に見事、ベンチの期待に応えてみせ、5連敗からの脱出に貢献した。

 2回の無死一、三塁では叩きつけるバッティング(捕ゴロ)で一塁走者を二塁に進めて、田村の先制2点打を呼んだ。4回には先頭で摂津の直球を「反応で打ちました」と左翼線への二塁打で貴重な足掛かりをつくり、荻野貴のセーフティスクイズで3点目の生還した。

「(昨年のテスト入団で取ってくれた)ロッテと古巣のホークス。お互いの球団に恩返しができて嬉しいの一言。(これで)チームが乗ってくれれば。ベンチで声を出し過ぎて嗄れてしまった」

 2014年以来3年振り、プロ入り2本目の安打に「ベンチに帰ってきて泣きそうだった」と言う。伊東監督も「よく頑張ってくれた。古巣相手に。昨日終わった時点で(起爆剤として)使おうと思った。いいところで打ってくれた」と目を細めた。

 ソフトバンク時代の登場曲は熊本出身の九州男児らしく、高倉健の「唐獅子牡丹」「男なら」だったが、ロッテでは一転「湘南乃風」の「BIG UP」に変更。試合前の円陣では、キャプテンの鈴木から連日の声出し役に指名され、この日の試合前は「5月5日の鯉のぼりが終わったので、鰻登りでいきましょう」と爆笑を誘った。最下位ロッテのベンチに明るい風を吹き込んだ。

【了】

細野能功●文 text by Yoshinori Hosono

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY