メジャーでは稀な“本拠地”以外での公式戦開催 込められた野球以上の意味
メジャーでは陸軍基地や海軍兵学校が部隊になることも
さらに開幕前のオープン戦では、ワシントン・ナショナルズが海軍兵学校を舞台にボストン・レッドソックスと試合を行った。今年から3年連続で行うことですでに合意しており、チケットの一般販売はせず、海軍関係者や同学校の生徒に配布されている。野球と海軍に関わる人々が、互いをリスペクトする空気が漂う特別な一戦となっていた。
メジャーリーグでは、“ホームゲーム”の価値は計り知れないものがある。そのためワールドシリーズでのホームフィールドアドバンテージがオールスターゲームの勝敗で決められることには反対意見も多く、ついにこの制度は廃止されることとなった。81試合中の1試合でもホームゲームを失うことは開催側にとっては痛手であるはずだが、ニュートラルサイトで試合を開催することは、ホームゲームの価値を凌駕する特別な意味合いを持つ。
ニュートラルサイトでの試合には、野球以上の意味合いが意識されて開催されている。プロ野球でもこれまで公式戦を行ってきた熊本での試合には、被災地復興支援の意味合いも込められるようになってきた。
さまざまな地域の子供たちにプロのプレーを見せることももちろん大事だが、ニュートラルサイトでの試合開催をすることでそれ以上の価値が野球を通じて伝えられていくことも今後の野球発展に大きな意味を持つはずだ。
(記事提供:パ・リーグ インサイト)
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「パ・リーグ インサイト」新川諒●文