データで見る菊池雄星の進化…今季飛躍的に改善された3つのスタッツとは
理想は1イニング15球、最大の課題は「無駄球の多さ」だったが…
西武の菊池雄星は5日、首位楽天戦で7回1失点の好投を見せ、3勝目を挙げた。防御率1.23はリーグ1位、6度の登板は1完封を含みすべてがHQS(ハイクオリティスタート・7回以上投げて自責点2以下)という抜群の成績だ。
菊池雄星は、花巻東高校から2009年ドラフト1位で西武ライオンズに入団。2年目の2011年から1軍のマウンドに上がり、先発投手として活躍してきた。しかし、菊池は早くからエース左腕の期待をかけられながら、今一つ伸び悩んでいる印象があった。最近は、高校で3学年下の大谷翔平の躍進の前に、菊池はやや霞んでいるようにさえ見えた。
昨年までの菊池の最大の問題は「無駄球の多さ」だった。100イニング以上を投げるようになった2013年以降の1イニング当たりの投球数を見ていこう。
2013年 17.38 (108回 1877球)
2014年 17.66 (139.2回 2467球)
2015年 17.29 (133回 2300球)
2016年 16.83 (143回 2406球)
2017年 15.70 (44回 691球)
一般に、投手コーチは、先発投手は1回当たり15球、6回で90球という計算を立てる。今年の菊池が記録している1イニングあたり15.70球という数字は、取り立てて優秀と言うほどではない。チームメイトのウルフは13.35球(31回414球)という効率的な投球をしている。
しかし、菊池にとって、これは長足の進歩だ。2014、2015年と2300球以上も投げながら、菊池は規定投球回数に達することができなかった。2015年以降は15球ペースなら2145球で規定投球回の143回に達する。昨年は、最後の登板で何とか規定投球回数に滑り込んだ。投球効率が悪いために、長いイニングを投げられなかったのが、菊池の最大の課題だったのだ。