王会長も助言、ソフトB柳田の本領発揮はいつ? 打撃コーチが見る復調の兆し
精彩を欠く柳田、11日オリックス戦で18打席ぶりヒット
その状態が気がかりだ。ソフトバンクの柳田悠岐外野手。11日のオリックス戦(ヤフオクD)を終えて打率.234。一昨季にトリプルスリーを達成した柳田“らしくない”数字になっている。11日は、7回1死一塁で、追い込まれながらも、左中間に運ぶ二塁打を放った。実はこれが4試合、18打席ぶりの安打だった。
4月28日のオリックス戦(京セラD)で死球を受け、その後2試合欠場。5月2日の西武戦(ヤフオクD)で復帰したが、その後の9試合は35打数5安打、打率.142。負傷の影響もあるのだろうか、精彩を欠いている。
3番を担う主砲の状態について、藤本博史打撃コーチは「右肩が突っ込んでいるから、距離が取れていなかった」と指摘。王貞治球団会長からも助言があったようで「会長からも力が入りすぎて突っ込んでいるから、バットを胸の前を通るようにやってみたらどうだと話があった」と同コーチはいう。
ただ、藤本コーチは良化の気配も感じ取っている。それがこの日の二塁打、そして8回の第5打席で放った中飛だ。
18打席ぶりの安打は1ボール2ストライクと追い込まれてから、低めの変化球に上手く対応したもので「追い込まれて、ああいう打撃が出来る。追い込まれるまでは、もっと打てる球を絞ってもいい」。8回の中飛も「少し差し込まれたけど、あれでいい。軸で回ろうというのが出てきている」とし、「だいぶポジティブになってきている。ネガティブからポジティブに」とメンタル面の変化も口にした。
この日の試合後は「(1本出て)良かったですけど、まだまだです」と語り、帰路についた柳田。その力は、誰も疑わない。本領発揮まで、あともう少しの辛抱といったところだろう。
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福谷佑介●文 text by Yusuke Fukutani