投打崩壊状態のロッテ 目指すべきはチーム打率2割…到達に必要な条件とは
チーム状況を打開のカギは「人心の一新」
こうした状況を打開するのは容易ではないが、立て直しに必要なのは「人心の一新」ではないだろうか。
千葉ロッテは、2軍も16勝21敗1分でイースタン・リーグ7球団中6位と調子が良いわけではないが、チーム打率は.246、防御率は3.41で、共に5位の成績だ(5月12日終了現在)。
打者では、6年目の三家和真が打率.320でリーグ3位、3年目の香月一也が.298で6位、2年目の大木貴将が.289で7位と元気がいい。規定打席に達していないが、昨年阪神を戦力外になり、トライアウトを経てロッテに入団した柴田講平も、打率.333と当たっている。柴田は7日から1軍戦に出場しているが、柴田だけでなく2軍の元気どころにチャンスを与えることも必要だろう。
投手陣では、2年目中継ぎの東條大樹が3勝1敗、防御率1.86、同じく中継ぎの10年目右腕・阿部和成が14試合に登板して1勝0敗、防御率2.37と好成績を残している。先発で好成績を残していたチェン・グァンユウ(2勝0敗、防御率0.75)は1軍に昇格を果たし、9日楽天戦で6回無失点の好投で今季初勝利を収めた。
かつて1軍で活躍した選手も含め、2軍でプレーしている選手にとって、1軍の「チーム崩壊」はチャンス以外の何物でもない。彼らの「野心」をチーム浮上に活かすべきだろう。
今のロッテは歴史的な「チーム打率1割台」が大きなプレッシャーになっているように思われる。しかし、「2割台復帰」はそれほど高いハードルではない。現在、チーム全体では1066打数199安打で打率.187だが、今後の10試合で320打数78安打(打率.244)とすれば、打率は2割台に到達する計算になる(1385打数277安打)。まずは、この10試合で打率2割台復帰を目指したいところだ。
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広尾晃●文 text by Koh Hiroo