ファームで英才教育中…15年ドラ1右腕ホークス高橋が見せた直球の進化
若田部コーチも感心「球速以上のノビ、キレ、威力がある」
1軍デビューを飾った4月14日のオリックス戦(ヤフオクD)では、力みが目立ち、3回2四死球4失点だった高橋。制球の不安定さが課題として突きつけられた。その後も、この時の力みの影響か、投球フォームに狂いが生じていたのだが、この日は余計な力みが抜け、制球にもまとまりが出てきていた。
そして、この男の魅力は真っすぐだと、再認識させられた。この日の最速は149キロだったが、ストレートの多くは140キロ台前半から半ばまで。彼本来の投球からすれば、速くはなかった。それでも、その真っすぐでファールや空振りを奪い、相手打者を押し込むことが出来ていた。これには、若田部コーチも「球速以上のノビ、キレ、威力があるというのが出てきている」と目を見張った。
工藤公康監督も期待を寄せる高橋には、今、ファームでハードな英才教育が課されている。登板間のブルペン入りの回数を増やしているほか、個別の強化メニューなどもビッシリと与えられている。球速が出ていなかったのは、日々の疲労によるところもあるかもしれないが、水上2軍監督は「真っすぐが多く、威力があったね。課題をクリアし始めている。だからこそ、たまに投げる変化球に、打者が合わなくなる」と、ドラ1右腕の変化を感じ取っていた。
幸いにも、負傷は軽症で済み、今後の登板への影響は無さそうである。和田毅に左肘手術の可能性が浮上し、武田翔太の復帰も、もうしばらくかかりそうで、1軍の台所事情は依然厳しいまま。再び1軍のマウンドに立つ背番号47の姿が待ち遠しい。
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福谷佑介●文 text by Yusuke Fukutani