野球界にも「インバウンド」を―台湾ファン呼び込むパ・リーグの取り組み

「間違いなく台湾でも新たなファンの創出につながる」―

 パ・リーグはどの球場もエンターテインメントに力を入れており、熱の入った野球ファンでなくても楽しめるようなコンテンツが揃っている。前述の上野氏とともに本企画を遂行したパシフィックリーグマーケティング株式会社・マーケティング室長の荒井勇気氏は、「今回イベントに参加してくれたPacific League Girls、北海道日本ハムのB・Bとオリックスのバファローベルの現地での人気ぶりからも、日本プロ野球のエンターテインメントは間違いなく台湾でも新たなファンの創出につながる」と現地での盛り上がりを説明する。

「野球ファン」を取り込むことは大事だが、裾野を拡大するために「新しい野球ファンを生み出す」のはプロ野球のみならず、日本プロスポーツの未来に向けて不可欠な取り組みである。まさにパ・リーグの目指すミッションと合致する。

 台湾においては、国を代表するスーパースターはMLBでプレーする選手を含めても陽岱鋼選手がトップクラスの人気を誇る。北海道日本ハムから巨人へ移籍したため、今年はその影響が懸念されたが、1週間に10試合以上のパ・リーグ主催試合を放送しているFOXスポーツ台湾によると、試合視聴者数は昨年から減少すらなく、安定しているという。地道な活動やプロモーションなどにより、安定したファンが根付きつつあることを示している。

「国境を超えて楽しめるエンターテインメントコンテンツとして、日本のパ・リーグ、プロ野球、ひいてはプロスポーツの魅力を広げていきたい」――。限られたリソースを最大限に生かし、パ・リーグは海の向こうからの来客を心から望み、そして実際に行動へと移している。

(記事提供:パ・リーグ インサイト

【了】

「パ・リーグ インサイト」編集部●文

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