初猛打賞&2打点―日ハムルーキーの“再浮上”を呼んだ首位打者・近藤の助言
早大の先輩・有原を援護、アドバイスを「ものにしていければベスト」
日本ハムのルーキー・石井一成内野手が20日、本拠地でのオリックス戦でプロ初の猛打賞をマークし、7-3での勝利に貢献した。2回に先制打、7回にはダメ押し打と貴重な2打点も挙げ、早大の先輩でもある先発の有原航平投手を援護した。
開き直って結果を出した。2回1死一、二塁の先制機、カウント3-1から左腕の山崎福の直球をライナーで右前へ弾き返した石井一は、笑顔で振り返った。
「バッティングカウントだったので、真っすぐに絞って、結果はどうでもいいと思って、思い切って自分のスイングをしました。タイムリーが欲しかったので、打ち返せて嬉しかったです」
この1本が「いいきっかけになった」と言う。4回には外角の変化球をうまく左前へ。7回2死満塁では、ヘルメンから中前へ適時打を放った。3本を広角に打ち分け、潜在能力の高さを示した。
4月14日の楽天戦でルーキー一番乗りとなる本塁打を放つなど開幕直後は結果を残したが、4月中旬から打率は下がり、この試合前までの打率は.211。同じ左打者で打率リーグトップを走る近藤健介捕手に助言を求め、ボールの待ち方を修正してきた。「あれだけ打てているのは理由がある。それをものにしていければベスト」とその背中を追いかける。
左かかとを痛めて戦列を離れている中島卓内野手に代わって、ショートを任されて11試合目。2度目となったお立ち台では「卓さんの代わりになるかわかりませんが、1日1日必死でやっています」と素直な心境を明かした。そのひたむきな姿勢がチームの浮上を支えていく。
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石川加奈子●文 text by Kanako Ishikawa