日ハム「イクメンドーサ」の真骨頂 14個のゴロアウト、納得の投球で2勝目
今秋には第2子が誕生予定、家族は「心の支えだし、モチベーション」
日本ハムのルイス・メンドーサ投手が21日、本拠地でのオリックス戦で今季2勝目を挙げた。お立ち台では、2歳になった長男・マルセロ君を抱き上げて「イクメンドーサ!」の決め台詞を今季初めて披露した。
最後まで集中力は切らさなかった。1点リードで迎えた7回2死三塁のピンチ、ファウルで粘る大城を最後は145キロ外角直球で空振り三振に仕留めて吠えた。「変化球で打たれるくらいなら一番強い球で打ち取ろうと思った」。この気迫の投球が、その裏の味方の追加点につながった。
前回登板した14日のロッテ戦では、好投しながらも2-2で迎えた5回2死から清田に死球を与え、危険球で退場。その悔しさを晴らすような今季一番の投球だった。今季最長の7回を投げて6安打1失点。「ストライクゾーンにめがけてアグレッシブにいったよ。ツーシームもチェンジアップも良かったと思う」という言葉は、14個のゴロアウトが証明していた。
「自分はゴロピッチャーだと思っている。三振は狙っていない。打ち取って、少ない球数で長いイニングを投げるのが自分のスタイル。きょうはそれができた」と納得の103球を振り返った。
今秋には第2子が誕生予定だ。「家族のために野球をやっている。心の支えだし、モチベーション。もう一人増えれば、責任も増えるし、幸せも増える」。家族思いの頼れる右腕は、4月1日以来50日ぶりの勝利をきっかけに白星を積み重ねていく。
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石川加奈子●文 text by Kanako Ishikawa