ホークス五十嵐が持つ類い稀な勝ち運 中継ぎでハーラートップタイ5勝

工藤監督「勝てる投手がいる時は、そこを信じてね」

 五十嵐の起用法にも要素はある。ソフトバンクの勝利の方程式は、現状では森、岩崎、サファテ。この3人は基本的にはリードのある状況で投げる機会が多くなる。五十嵐は同点や僅差のビハインドの展開などでも登板機会がある。守護神のサファテを除き、3人とも20試合前後の登板数でありながら、森の8ホールド、岩崎の10ホールドに対し、五十嵐は4ホールドとなっていることからも、五十嵐の登板の状況が見える。

 チームの特徴、投手の編成、そして五十嵐の好投がうまく噛み合って、この勝利数に繋がっている。「そこの験は担いていますよ。勝てる投手がいる時は、そこを信じてね」と工藤公康監督も、五十嵐のもたらす“勝ち運”を頭に入れているのだという。

 初登板からの連続リリーフ登板のプロ野球記録を728試合まで伸ばしている右腕は、ヤクルト時代の2000年に、リリーフながら11勝をマークしている。果たして今季、自身最多の勝ち星となるか。また、1988年のヤクルト・伊東昭光以来となる中継ぎ投手による最多勝獲得という快挙の達成はあるだろうか。

【了】

福谷佑介●文 text by Yusuke Fukutani

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