OB藪恵壹氏が見る阪神好調の要因 鍵握る交流戦には「岩田起用」のススメ
打線は三振が減り四球が増加、元アスレチックス藪氏は「ビリー・ビーンの野球ですよ」
25日時点で、2位広島に1ゲーム差をつけて首位に立つ阪神。5月6日広島戦で球団史上初となる9点差からの逆転勝利で単独首位に躍り出ると、その後は陥落することなく、トップを走り続けている。2005年以来のリーグ優勝、2014年以来の日本シリーズ進出に大きな期待が寄せられているが、リーグ4位に終わった昨季と何が違うのか――。阪神OBでメジャーでも活躍した藪恵壹氏は、好調を支える最大の要因として「打線のつながり」と「中継ぎ陣の安定感」を挙げた。
「何と言っても打撃でしょう。あとは中継ぎ。開幕からリリーフ陣をほぼ入れ替えずにいる。こんなこと滅多にないんじゃないかな(笑)。打線も中継ぎも、軸となるメンバーを固定できているのは大きいですね。メジャーを見ても、強いチームは打順とブルペンの役目を固定できている。これはいい傾向です。
打線で言えば、去年は三振が多くて四球が少なかったのが、今年はまるっきり逆になって、三振数が減って四球が取れるようになった。つなぐ野球ってヒットを打たなくてもいいんですよ、アウトにならなければ。四球で出塁できればいい。(MLBアスレチックス強化担当責任者の)ビリー・ビーンの野球ですよね」
昨季の阪神は、リーグ最多の1149三振を記録する一方、435四球はリーグ平均(438)とほぼ変わらず。三振1つに対する四球数を示す指標BB/Kは0.38だった。だが、今季は25日現在、三振数はリーグ最少の296、四球数はリーグ2位タイの167で、BB/Kは0.56。昨季に比べると、格段に三振の割合が減っていることが分かる。
4月は開幕の広島3連戦、18?20日の中日3連戦の2カードを負け越したのみ。着実に貯金を増やした阪神を勢いづけたのが、5月5日に4点差をひっくり返す逆転勝利を収め、翌6日には球団史上初となる9点差の逆転劇を演じた広島3連戦だった。