“魔の5回”…逆転を許したダルビッシュの変化を地元紙分析「速球を…」

5回1死、メイリーに5球連続で速球勝負も四球で歩かせる

 27日(日本時間28日)敵地ブルージェイズ戦で6回を5安打3失点(自責3)と粘投しながらも、今季3敗目(5勝)を喫したレンジャーズのダルビッシュ有投手。4回までは速球を軸に2安打に封じる一方的な投球を見せつけた。だが、5回にバティスタの逆転3ランを含む3安打3四球と突如調子を乱して3失点。地元紙「ダラス・モーニングニュース」電子版と「フォートワース・スターテレグラム」電子版では“魔の5回”を分析している。

 2安打された4回こそ21球を要したが、他の4イニングは10球台の好ペースで回を締めた右腕。だが、この日のカギを握った5回には31球を投げる別人のような投球だった。「ダラス・モーニングニュース」では、3失点を生んだ要因の1つは「速球を投げるのを避けたこと」にあると分析。1死で迎えたメイリーの打席に5球全て速球で勝負に出たが、際どいコースをとってもらえず四球で歩かせた、記事によるとダルビッシュは通訳を介して「特にどの打者というわけではないが、際どいコースをストライクと判定してもらえないことが続いていた。なので、別な攻め方をしないといけなかった」と話したという。

 結局、ダルビッシュは別な攻め方として「スライダー」をチョイス。2死一、三塁で迎えたバティスタを初球スライダーで攻めたが、高く甘いコースに入り、逆転弾とされた。記事では「ダルビッシュが速球を避けたことが、トロント打者に甘い変化球を狙わせた」と指摘。ダルビッシュの生命線はあくまで速球であることを印象づけた。

 一方「フォートワース・スターテレグラム」では、女房役を務めたチリーノスの「カギは(メイリーへの)四球だと思う」という“証言”を紹介。チリーノスは「速球でカウントを稼ごうとしたが、リリースポイントに狂いが生じ、走者2人を背負った場面でバティスタにチャンスを与えてしまった」と話し、やはり速球の制球が狂ったことが失点を呼んだとしている。

 この日も今季8度目のクオリティスタート(6回以上自責3以下)を記録し、安定した投球を続けるダルビッシュ。今季好調のカギとして速球の制球を挙げる声も多いが、シーズンに限らず、試合中のワンシーンにスポットライトを当ててみても、やはり投球の基本となる速球の重要性が浮き彫りになるようだ。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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