オリ山岡が待望のプロ初勝利 勝利の鍵はマリンの風を生かした“タテスラ”
6回1失点で待望の1勝、ウイニングボールは「宅急便で親元に送ります」
オリックスのルーキー山岡がZOZOマリンの風を味方に、7試合目の登板で待望のプロ初勝利を挙げた。
28日のロッテ戦。初回に角中に左前適時打を浴びたが、許したのはこの1点だけ。自慢のタテに落ちるスライダーを軸に、6回97球5安打で4者連続を含む6三振を奪った。
「先制点を取られたが、その後に、初球の入りとか、ストライク先行とか、きっちり修正できた。2点目をとられたら、絶対ダメだと思った。勝負していくしかないと思った」
生命線にしたのは、持ち味のタテスラ。それもマリン特有の風を見ながら「曲がりを考えて投げた」と言う。本塁方向に吹く海風がバックネット裏で跳ね返るため、変化球の曲がりが大きくなる。この日のMAXは8メートルだったが、中盤から明らかにスライダーが切れていた。象徴的だったのは6回2死一、二塁。追加点は絶対に阻止しなければならない場面で、フルカウントから根元をスライダーで見逃し三振に仕留めてピンチを切り抜け、7回の味方の逆転につなげた。
4月13日のロッテ戦では6回まで3安打無失点。6回裏、T-岡田のソロで待望の援護をもらったが、7回に細谷に痛恨の3ランを浴び、一瞬で初勝利が飛んだ。その口惜しさは十分に晴らせた。ウイニングボールは「自分が持っていると失くしそうで、宅急便で親元に送ります」とルーキーは初々しかった。
【了】
細野能功●文 text by Yoshinori Hosono