「これが1軍か」―ハムのドラ8道産子右腕、デビュー戦で掴んだ確かな手応え
吉井コーチ「うちにはいないタイプ」、栗山監督「先が楽しみ」
日本ハムのドラフト8位ルーキー・玉井大翔投手が28日のソフトバンク戦(札幌ドーム)でプロ初登板を果たした。
佐呂間町出身の道産子右腕は、5点を追う9回、3万人を超える観衆の大歓声を受けてマウンドへ。まずは先頭の松田を得意のシュートで三ゴロに打ち取った。その後、内野安打や失策など不運もあって1点を失ったものの、自責点は0。スタンドから両親も見みつめる中で、しっかり役目を果たした。
「大学1年の春以来の札幌ドームでしたが、その時と雰囲気は違いました。すごい歓声で“これが1軍か”と思いました」。そう初々しく話すが、マウンド上では落ち着き払っていた。「持ち味は出せたので良かった。強打者に対して、インコースに投げられたことは今後に生きてくると思います」と胸を張った。
開幕1軍は果たせなかったが、「焦っても良くない」と敢えて1軍の試合をテレビ観戦することなく、目の前のことに集中。イースタン・リーグでは11試合に登板し、防御率1.62と結果を積み上げた。目標としていた5月下旬の1軍昇格を達成し、プロとしての一歩を踏み出した。
吉井理人投手コーチは「1度はマウンドに行かなきゃいけないかと思っていたけれど、ボール先行したところでもしっかり抑えたね。横の変化を使う、今のうちのメンバーにはいないタイプ。いいんじゃないですか」と合格点を与えた。栗山英樹監督も「先が楽しみですね」と目を細めた。
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石川加奈子●文 text by Kanako Ishikawa