侍Jスコアラーが語る“衝撃” 米国人投手と日本人打者の「力の差」

選手も「あんな球、見たことない」、日本が「新時代」に突入するために―

「あれほどまでにレベルの差があるとは思いませんでした。特にムービングボール(動く球)の威力にはレベルの違いを感じました。日本にいるムービングボーラ―は、球速が140キロ前後で、低めに集めてくるので対策は立てられます。ですが、アメリカのムービングボーラ―は全て150キロから155キロで変化量も大きい。

 みんな口々に『あんな球、見たことない』と言っていました。やはりアメリカの投手と、日本の打者の力の差は大きいと感じました。アメリカの投手陣から5、6点取ることができれば、日本野球は新しい時代に突入できると思います」

 志田スコアラーは岩手県大船渡市出身。2010年限りで現役を引退し、スコアラーとして新たな人生を踏み出した矢先に東日本大震災が発生した。実家は全壊、家族は無事だったものの、亡くなった知人もいる。震災と同時期の3月に行われたWBCに、秘めた思いは大きかった。

「地元には、選手としては終わったけれど、WBCのスコアラーに選ばれた僕のことを変わらず応援してくれている人がたくさんいます。『その人たちのためにも』という気持ちはありました」

 さまざまな思いを胸に挑んだWBCの舞台で、世界との差を見せつけられた。それでも「日本の野球は、世界のパワー野球にも対抗できる。その一端は見せられたのではないかと思います」と、確かな手応えを感じている。

「負けた時のプレッシャーはありますが、選んでもらえるのであれば、またあの舞台に行きたいですね」と話す志田スコアラー。日本野球のさらなるレベルアップ、そして新たな時代へ。世界を相手に戦った経験を糧に、志田スコアラーの挑戦は続く。

【了】

篠崎有理枝●文 text by Yurie Shinozaki

RECOMMEND