視界に入った球は打つ! 米首位打者がワンバン球を振ってまさかの二塁打

通算449本塁打の強打者を彷彿とさせるレイズ5年目ディッカーソン

 打撃の基本は、来た球をよく見て打つ。これを忠実に守り、成績を残しているのが、レイズ5年目のコーリー・ディッカーソンだ。5月30日現在、打率.346でア・リーグ首位打者に輝く他、72安打もまたリーグトップ。その一方で四球数は12、三振数は47と、文字通り、視界に入ったボールはほぼ必ずスイングする傾向にあるが、今の打率と安打数を見れば、決して無駄振りは多くなさそうだ。

 そんなディッカーソンの打撃スタイルを、かつてエクスポズやエンゼルスで活躍した通算449本塁打を誇る強打者ブラディミール・ゲレーロに例える人も多い。ゲレーロといえば、ストライクゾーンを大きく外れた球でも本塁打にする技術は伝説レベル。どうやら、このディッカーソン、悪球打ちの妙技もゲレロに酷似しているようだ。MLB公式サイトの動画コーナー「Cut4」では、ディッカーソンが30日(日本時間31日)敵地レンジャーズ戦で披露した、まさかの悪球打ちを紹介している。

「おいおい、一体どういうことだ?!」

 レイズ実況、解説が驚きの声を上げたのは、3回無死走者なしの場面だった。4号ソロ弾のロバートソンに続いて打席に立ったディッカーソンは、カウント2-2からの5球目を振った。フワリと浮いた打球は三塁後方の左翼線いっぱいに入る二塁打に。一見普通の二塁打のようだったが、実況、解説が素っ頓狂な声を出したのには理由がある。なんと、ディッカーソンが打ったボールは、ホームベース直前で地面にワンバウンドしたカーブだった。

「見てくれ、地面ギリギリで打っている。ボールがバウンドしてから打ったんだ」という言葉通り、スロー映像ではディッカーソンのバットが地面にバウンドしたばかりの球を巧みに捉える様子が映し出されていた。記事によれば、ディッカーソンの悪球打ちは、これが初めてではないが、データ解析システム「スタットキャスト」により弾き出された地上0.10フィート(約3センチ)は、これまで計測した中で5年目左打者が打った最も低いボールだったという。

「Cut4」は公式インスタグラムでも、「何? どうやって? で、マジ?」という一文と共にこのプレーを紹介。コメント欄には「どこかでブラッド(ゲレーロ)が微笑んでるよ」「なんてことだ」「ゴルフ打ちで打ってる!」「ブラッドみたいだね」など、驚きのコメントが寄せられた。

 もっとも、この二塁打に一番驚いたのはディッカーソン本人のようで、二塁ベースに到達すると、ビックリした表情を浮かべながら、信じられないとばかりに首を横に振った。悪球すらもヒットにしてしまう“巧打者”が、今季はどこまで打率と安打数を伸ばすか楽しみだ。

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