メジャーで前代未聞の珍事! 休憩中にリプレーで判定覆り7回表やり直し
「7thイニングストレッチ」中にビデオ検証→判定覆ってやり直し
4日(日本時間5日)メッツ本拠地で行われたパイレーツ戦で、前代未聞の珍事が発生した。メジャー恒例、7回表終了後の「7thイニングストレッチ」の間にリプレー検証が行われた結果、判定が覆り、7回表と「7thイニングストレッチ」を共に“やり直し”た。これをきっかけにメッツは6失点し、1-11の大敗を喫した。球団公式サイトなど複数のメディアが報じている。
問題の場面はパイレーツの攻撃、7回表1死一塁の場面だった。ジェイソの打球は平凡な三塁ゴロだった。メッツ三塁フローレスは難なく捕球すると、併殺を完成させるために二塁ベースカバーに入った二塁ウォーカーに転送。ウォーカーから一塁デューダに送球され、回は締めくくられたかに見えた。
メジャー恒例「7thイニングストレッチ」を迎えた球場のファンは、「God Bless America」を斉唱したが、歌い終わると球場に慣れない静寂が訪れたという。何事かと騒然とし始めると、審判団から7回表を2死二塁からやり直すことが発表された。
実は、併殺プレーの直後に、パイレーツのハードル監督は「二塁カバーに入ったウォーカーの足がベースにタッチしていなかった」とチャレンジを要求。ビデオで検証した結果、完璧に見えた併殺プレーだったが、送球を受けた瞬間のウォーカーの足はわずかにベースから離れていたため、判定は覆り、二塁はセーフとなった。
監督はプレー終了から30秒以内であれば、ビデオ判定を要求できることになっている。今回のケースは、プレー終了から30秒経たないうちに「7thイニングストレッチ」が始まってしまったために起きた珍事となった。
もちろん、納得がいかないのはメッツ側だ。コリンズ監督やウォーカーは必死で審判団に抗議したが、それも叶わず。2死二塁で始まった2度目の7回表は、再開直後に打席に立ったフリースが適時打を放ち、パイレーツが1点を追加。試合の流れと運を失ったメッツは、8回に2点、9回に3点を追加され、1-11と大敗した。
2度目の7回表が終了すると、2度目の7thイニングストレッチ」がスタート。今度は観客は「Take me out to the ballgame」を歌い、恒例行事をやりなおしたという。
地元紙「ニューヨーク・ポスト」電子版によれば、ベースを踏まなかったと判定されたウォーカーは「正しい判定をするためのビデオ判定だが、重箱の隅をつつく感じだ。昔は100回あれば100回併殺になったプレーだったのに」と恨み節。さらに、思わぬ大敗を喫することになり「マーフィーの法則の言う通りだ。泣きっ面に蜂とはこのことだ」と話したそうだ。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count