珍サヨナラ打で自己新更新、ソフトB柳田が18戦連続安打で打率3割復帰
サヨナラ勝ち呼んだボテボテの内野安打「ヤバって思いました」
打った本人も、苦笑いを浮かべるしかなかった。ソフトバンクの柳田悠岐外野手。6日のヤクルト戦(ヤフオクD)の延長10回2死三塁。今季3度目のサヨナラ勝ちを呼ぶ適時内野安打を放った背番号9は「ヒットにABC(のランク)はないので、結果には満足です」とお立ち台で語った。
打った瞬間を「ヤバッて思いました」と振り返る珍打球。2死三塁。初球のスライダーを空振り、2球目のシュートもハーフスイングし、追い込まれた3球目だった。2球目と同じような内角のシュートを捉えた打球はボテボテのゴロに。三塁線に力無く転がり、ファールゾーンへと切れるのを待ったヤクルト守備陣の目の前で塁線ギリギリでピタリ。三塁走者が返り、サヨナラ勝ちとなった。
この日、そこまでは二ゴロ、遊ゴロ、遊飛、空振り三振と4打席凡退に終わっていた柳田だが、5打席目で初安打。これで、自己新を更新する18試合連続安打に伸ばした。一時、.234まで低迷した打率も3割台までV字回復している。
普段対戦のないセ・リーグの投手との対戦。「打席に立って見ないと分からない。難しいところはある」というが、その中でも3日のDeNA戦(横浜)で1試合2本塁打を放つなど、結果が出ている。安打が続いている要因を「しっかり間が取れている」と分析する。
打率.300、11本塁打41打点と、本来の姿を取り戻した柳田。「まだ(しっかり間が取れるのも)全球じゃない。増えれば、もっと良くなる」。この日のサヨナラ打は“らしくない“飛距離だったが、その存在感は頼もしい限りだ。
【了】
福谷佑介●文 text by Yusuke Fukutani