貧打、先発陣の不調、三塁手起用のジレンマ…巨人の11連敗を42年前と比較

42年前も三塁手の起用法がネックに? セ記録は1970年ヤクルトの16連敗

 1975年と2017年に共通していることは「三塁手」の起用がネックになったこと。1975年は、引退して監督に就任した長嶋茂雄の後釜三塁手を誰にするかが大きなポイントだった。

 巨人はポスト長嶋を想定して2年前に南海ホークスから冨田勝を獲得していたが、成績不振に加えて長嶋監督との折り合いが悪かったとされ、三塁には固定できず。二塁手として獲得したデービー・ジョンソンと併用された。ジョンソンが打撃不振になって冨田も起用されたが、ポジションが固定できなかったことが大きかった。

 2017年は前年のベストナイン三塁手・村田修一に加えてケーシー・マギーを獲得。マギーが好調だったために村田の出場機会は限られていた。交流戦に入って村田が一塁に入って活躍したが、マギーも活かすために阿部慎之助との併用でしか起用できないジレンマを抱えたままだ。

 1975年の巨人は9月18日のヤクルト戦に勝って、長いトンネルを抜けた。0-4の劣勢から7、8、9回で5点を入れての逆転勝利だった。

 NPBの最長連敗記録は、1998年ロッテの18連敗、セ・リーグ記録は1970年ヤクルトの16連敗だ。巨人は不名誉な記録を断ち切ることができるだろうか。

【了】

広尾晃●文 text by Koh Hiroo

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