ソフトB交流戦首位タイ浮上もデスパ負傷で新たな悩み 工藤監督の表情曇る

山田今季初先発初勝利も指揮官は次回登板明言避ける

 ソフトバンクが6カード連続で勝ち越しを決め、交流戦首位タイに再浮上した。11日の阪神戦(ヤフオクD)。今季初先発となった山田が5回1失点での好投。打線は効率的に点を挙げて勝利し、工藤公康監督は「(山田は)5回までというのはあった。結果だけを見れば、いいと思う」とした。

 初回に、阪神先発の小野の立ち上がりをつかまえた。2つの四球で掴んだ1死一、二塁でデスパイネが右前適時打。さらに松田の押し出し四球で1点を加え、2点を先制した。3回1死一、二塁では松田が右翼フェンス直撃の適時二塁打を放ち、1点を追加。1点差に迫られた8回には2死三塁から今宮、柳田に連続適時打が出て、試合を決めた。

 先発の山田は走者を出しながらも、粘りの投球。左背部の張りで登録抹消となった千賀の代役として、6月6日のウエスタンリーグ・オリックス戦(タマスタ筑後)から中4日での先発となったが、与えた点は4回に梅野に浴びたソロの1点のみ。5回4安打1失点で今季初勝利を挙げた。

 ただ、指揮官は「内容を含め、勝負していないというところがあった」と左腕の投球内容に注文。次回のチャンスについても「話をして、投手コーチとも話して、次どうするか結論を出します」と明言することはなかった。

 これで6カード連続の勝ち越しとなったが、工藤監督の頭を悩ませる事態も。3回の松田の適時打の際に、二塁走者だったデスパイネが三塁ベースを回った後に右太もも裏を負傷し、途中交代。試合中に病院に向かった。「(デスパイネの状態の報告は)まだです。まだなので、分かりません」。試合直後にこう話した指揮官の表情は曇った。

 交流戦首位タイに浮上したが、内川に加えて、デスパイネまで離脱する可能性が浮上。指揮官にとっても、手放しでは喜べない1勝だろう。

【了】

福谷佑介●文 text by Yusuke Fukutani

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