「骨をポキポキと折って」 日ハム村田、「おっさん」が涙の1勝を挙げるまで
戦力外、米挑戦…「一流ではないので、自分を変えていくしかないと思った」
巨人では1軍登板がないまま、3年で自由契約になった。「この先やっていけるのかとショックだったし、不安だった」と当時を振り返る。社会人入りの話もあったが、断った。「プロとしてやって結果を残したい。それを諦めるのは(野球を)辞める時」。覚悟を持って米国に渡ると、それまでの投球スタイルを捨てた。
「固いところ、譲れないところがあったけれど、自分の骨をポキポキと折って適応した。そうでないとやっていけない環境だったので。一流ではなので、自分を変えていくしかないと思った」。ツーシーム主体の投球術を身につけて、メジャー昇格も果たした。
巨人のドラ1が回り道をして10年かかって手に入れた白星。「おっさんになったので。二十何歳で取っていたらまた違ったのかな」と照れくさそうに笑った。
お立ち台では「オールドールーキーの村田です。まだ1勝目ですが、これから続けていけるように頑張ります!」と力強く宣言した。1勝目はスタート、32歳右腕が目指すゴールはまだまだ先にある。
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石川加奈子●文 text by Kanako Ishikawa