イチロー今季2号、監督称賛「素晴らしかった」も…「我々は生かせなかった」
4年ぶりの複数本塁打もチームは敗戦、「少し勢いをつけてくれた」
マーリンズのイチロー外野手が11日(日本時間12日)、敵地でのパイレーツ戦で今季2号本塁打を放った。「7番・右翼」で先発出場し、3打数1安打。3試合連続安打でメジャー通算3046安打として、歴代24位ロッド・カルー(3053本)まで残り7本とした。しかし、マーリンズは1-3で敗戦。ドン・マッティングリー監督は、イチローの本塁打の後にも反撃のチャンスがありながら、点を奪えなかったことを悔やんだ。
10日(同11日)の試合で右手に死球を受けたスタントンに代わって1回から緊急出場していた背番号51は、5月31日(同1日)のフィリーズ戦以来11試合ぶりに先発出場。2回には相手投手ノバの右翼線ギリギリへの当たりを、逆光の中で最後はジャンプしながら捕球する好プレーを見せた。
打席では、3回先頭で一ゴロ、5回1走者なしの場面でも二ゴロと2打席凡退。マーリンズは6回までノバの前に1安打に抑え込まれ、3点ビハインドで迎えた7回も先頭イエリッチが2番手ニカシオからヒットを放ちながら後続が倒れるなど、反撃の糸口をつかめなかった。
それでも、8回に先頭で打席に立ったイチローが、この回から登板した右腕ハドソンの93マイル(約150キロ)の直球をライナーで右翼席に飛び込むソロ弾。2点差とすると、先発から外れていた代打ゴードンがセンター前ヒット。しかし、続く代打スタントンは空振り三振に倒れると、リドルは一ゴロ。一ニ塁間に挟まれたゴードンは粘って何とか一塁に残ったが、リアルミュートも二ゴロに終わり2点目を奪うことができなかった。
試合後、マッティングリー監督は「素晴らしかった。少し勢いをつけてくれたようだ」とイチローの本塁打を振り返った。「その後、我々は出塁することができた。彼がホームランを打って、我々は出塁した」。43歳の一発がゲームの雰囲気を変えたものの、勝利にはつながらず。指揮官は「ただ(チャンスを)生かすことができなかった」と悔やんだ。
イチローの本塁打は古巣の本拠地セーフコフィールドで劇的な一発を放った4月19日のマリナーズ戦以来、今季2本目。複数本塁打は2013年(7本)以来、4シーズンぶりとなった。この日は3打数1安打で打率.198となった。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count