ドラフトは「本指名」でなければ― 元G守護神が背負う「使命」
独立リーグは「プロを目指す場であるとともに野球をあきらめる場」
――チームの方針は、育成優先だったわけですね。
「今年、高卒の選手が3人入ってきましたが、そういう若い選手をみっちり鍛えて試合に出していくことが、大事です。選手を育てないと、安定したチームもできません。NPBに送り出すことを考えても、若くていい選手を作らないと、と思います。そういう流れを作らないとダメですね。いくら力があるからと言っても、24、5歳の子をとってきても、成績を上げさせても、プロ入りは厳しい。単に勝つためなら年配の選手や、外国人選手でチームを作ればいいですが、それではNPBに選手を輩出するという目的は果たせません。
もちろん、若い選手を育てるのは簡単ではありません。高卒の3人のうち、打者の堀尾晃生は4番で使いましたが、投手は投げていない。1つ上の2人の投手もまだまだです。そういう試合に出ていない選手たちが、来年再来年にどうなっていくのか、が大事です。年上の選手は、若い選手の見本として必要です。正田樹(投手、元日本ハム、ヤクルトなど)もお手本ですね」
――後期に向けて、どのような展望を持っていますか?
「前期より少しでも成長したものをお見せしたいと思います。試合の勝敗もそうですが、野球に取り組む姿勢、考え方も成長してほしい。前期の負けを教訓として、中断する期間に練習していきます。具体的にな順位や勝ち星はまだわかりませんが、成長が感じられないと、何もかも無駄になります。勝ち星だけでなく、負けたことも無駄になります。いつまでも同じことをさせないように、指導していきたい。独立リーグは個々がプロを目指す場であるとともに、野球をあきらめる場でもあります。厳しさの中で教えていかないといけないでしょう」