「横浜の背番号1」が“凱旋” 楽天ドラ1藤平、聖地に足跡残したプロ初登板
高卒ルーキー12球団最速デビュー、5回2失点で初黒星も次回につながる84球
昨夏の甲子園を沸かせた「横浜高校の背番号1」が、高校野球の聖地に帰ってきた。2016年のドラフトで楽天に1位指名を受けた藤平が、6月16日、甲子園で行われた阪神戦でプロ初先発。今年の高卒ルーキーの中では、12球団最速の1軍デビューとなった。
藤平は、名門・横浜のエースとして挑んだ昨夏の甲子園初戦で、東北を相手に7回途中1失点、5者連続を含む13奪三振という圧巻の投球を披露する。そして2回戦では、寺島(現・東京ヤクルト)擁する履正社と激突し、2回途中から登板して6回1/3を無失点。チームは敗れたが、お互いを認め合う藤平と寺島の投げ合いは大会屈指の名勝負となった。2試合で13回20奪三振、防御率0.69。
甲子園閉幕後、「第11回 BFA U-18アジア選手権」優勝などを経て、ドラフト1位で楽天に入団すると、2軍で11試合に登板し、1勝2敗、51回、58奪三振、防御率3.35の成績を残した。高卒ルーキーということで、プロ初登板は早くて夏頃と予想されていたが、辛島の不調や塩見の怪我の影響もあり、交流戦期間中にチャンスが訪れた。さらにデビュー戦のマウンドは、聖地・甲子園。昨夏熱戦を繰り広げた黄金ルーキーにとっては、これ以上ない舞台が用意された。
やや緊張した面持ちで甲子園のマウンドに上がった藤平の、記念すべきプロ1球目はボール。2球目も外れて、3球目を1番・糸原に捉えられて二塁打とされたが、13球で後続を打ち取って、初回を無失点で切り抜けた。
しかし2回裏、7番・原口に137キロの直球を左中間席まで運ばれ、2点を失う。直後の3回表に7番・三好がソロを放ち、楽天が1点を追う展開となった。その後、藤平は得点圏に走者を背負いながらも、打たせて取る投球で追加点を与えず。1点差で迎えた6回表に代打を送られたため、デビュー戦は5回、84球を投げて被安打5、与四死球2、失点2と上々の内容だった。
プロ初黒星こそ喫したが、失点は一発を浴びたことによる2点のみと、思い出深い聖地でのプロ初登板で確かに足跡を残した。