ロッテ井口、引退表明「昨年から決めていた。残りの打席で自分の全て出す」
現役最年長野手、日本一&世界一経験、将来的な監督就任に意欲も
現役最年長野手のロッテ・井口資仁内野手(42)が20日、今季限りでの現役引退を表明した。ZOZOマリンスタジアムで会見し、「昨年から決めていた。残り限られた打席で自分の持っているものを全て出したい」と明かした。
日米で日本一&世界一を経験した大ベテランが、21年間の現役生活に終止符を打つ。グレーのスーツ姿で会見に臨んだ42歳は今季限りで現役を引退することを表明した。
「シーズン前に発表するつもりだったが、この時期になってしまった。振り返るのはシーズン終わってからにしたい。昨年から今年限りを決めていたが、9月に発表すると地方球場で見られないファンもいると思ったので、交流戦終わりのこのタイミングで発表させてもらった」と説明した。
今後に向けては「今年21年目、残り限られた打席で自分の持っているを全て出したい。右方向へ強い打球を追い求めていた。一本でも多く出していきたい」と意欲を燃やした。入団当初の恩師であるソフトバンク・王貞治会長には「開幕の時、今シーズンでユニホームを脱がさせてもらうとお話しした。『残りシーズン、悔いないように』と言葉をもらった」と明かした。
国学院久我山高から青学大に進学。4年夏の96年にアトランタ五輪日本代表に選ばれ、銀メダルを獲得した。1996年ドラフト1位でダイエー(現ソフトバンク)に入団。俊足好打の内野手として盗塁王2度、ベストナイン3度、ゴールデン・グラブ賞3度獲得するなど、2度の日本一に輝いた。
2005年には米大リーグ・ホワイトソックスに入団。レギュラーとしてチーム88年ぶりのワールドシリーズを制し、世界一を経験した。パトレスに移籍した08年はシーズン途中にフィリーズに加入。出場機会には恵まれなかったが、チームはワールドシリーズ制覇。2個目のチャンピオンリングを獲得した。
2009年にロッテに入団。翌10年には日本一を経験し、13年には日本人で5人目となる日米通算2000安打を達成した。
今季は現役21年目を迎え、現役最年長野手としてプレー。日米通算250号本塁打を達成するなど、主に代打とDHで起用され、35試合で1本塁打、8打点、打率.257をマークしていた。
若手から慕われ、毎年1月に行う合同自主トレには球団の垣根を超えて選手が集まっていた。
関係者によると、将来的な監督就任に意欲を見せているという42歳。多くのファン、選手から愛された背番号6は残りシーズンを完全燃焼し、21年間の現役生活を全うする。
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細野能功●文 text by Yoshinori Hosono