8回零封の田中将大“対決”意識しすぎず「打者に全神経を自然に持っていけた」
「1球1球しっかりと意思を持って投げる」テーマをきっちり遂行
ヤンキース田中将大投手が23日(日本時間24日)、本拠地でのレンジャーズ戦で8回3安打無失点の快投を披露した。ダルビッシュ有投手との“直接対決”に注目が集まる中、互いに一歩も譲らぬ無失点投球。チームを延長10回での勝利につなげたパフォーマンスに、試合後は「1球1球しっかりと意思を持って投げられたと思います」とうなずいた。
前日までは「投げ合いは楽しみ」と話していたが、プレーボールの声が掛かれば真剣勝負。「もちろん相手がダルさんだっていうのは頭にはありました」というが、実際に対戦するのは打者。「試合に入れば対決するのは打者だし、そこに全神経を自然と持っていけたと思う」と、目の前の打者、そして手に握られた1球1球に集中した。
最速96マイル(約154キロ)を計時した速球に加え、スライダー、スプリットも威力を発揮。ストライク先行で主導権を握りながら打者との対戦に臨めた。この日のテーマは「1球1球しっかりと意思を持って投げる」。試合中はベンチ裏で「ダルさんがいいピッチングをされているなと思ってはいた」というが、その姿に惑わされることなく、自分がやるべきことに集中しきった。
今季は思うような結果が出ず、早期降板が重なった中でつかんだ8回無失点という結果。「1イニング1イニング、1人1人を積み重ねていった結果として、最後そういう風になった。それはそれでもちろんよかったです」と、先発としての役割を果たした右腕は振り返った。
だが、1試合結果がよかっただけでは満足できない。「今日のことは今日のことで、1日1日、1つ1つ、次の登板に向けて準備をしっかりしていきたいです」と、早くもその目は次回を見据えていた。
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佐藤直子●文 text by Naoko Sato