ホークスに“悪夢”払拭の力投 西武・十亀「いい材料になる」
自身4連勝で4勝目、「大胆にいければいいかなと思っていた」
「昨日の雄星みたいにやられていたら、またソフトバンクに、と思ってしまう。個人的には慎重になった試合ではあった。上にいる相手にこういうピッチングが出来て良かったですし、いい材料になる」
24日の一戦で約1年ぶりにソフトバンクから白星を掴んだ西武・十亀剣投手。試合後、その表情は、自然と柔らかくなった。
「今日は前半スライダーが良くて、後半は真っすぐで押せた。丁寧に、かつ、そんなにコントロールがあるわけではないので、大胆にいければいいかなと思っていた」。2回2死一、三塁から高田に右前適時打を許し、先制点を許したが、その後も粘りの投球を披露。3回2死満塁のピンチを無失点で脱し、6回無死一、三塁でも併殺の間に失った1点にとどめた。6回6安打2失点にまとめる好投だった。
前日はエース菊池が3回途中7失点を奪われる乱調で完敗。左腕は入団以来、ソフトバンク戦16試合で0勝11敗とソフトバンクが“天敵”となっているが、この日の十亀もソフトバンク戦は得意ではない。先発を務めるようになった2013年以降、この日まで1勝7敗。5月4日の対戦では5回途中7失点でKOされていた。
特に松田には、この試合まで23打数17安打、打率.739、4本塁打と打たれていたが、この日は空振り三振、中飛、四球で無安打に封じた。2016年4月29日の対戦で初勝利を挙げて以来、これで2勝目となった。
開幕1軍から漏れた右腕だが、5月18日のロッテ戦(ZOZOマリン)で今季初勝利を挙げてから、無傷の4連勝。「やっとチームに乗れてきた。勝ちも追いついてきたし、貯金が出来ているのはいいこと」。右腕が、悪夢のような負けを喫した前夜の嫌な雰囲気を拭い去った。
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福谷佑介●文 text by Yusuke Fukutani