27試合で防御率0.00 DeNAを2年で戦力外も楽天で開花、「サブ」が放つ輝き
夏場に向けてタフネス右腕の存在がますます重要に
熊本で行われた5月13日の福岡ソフトバンク戦では、1点を追う8回裏に登板し、高谷が犠打を仕掛けて打ち上げた球を、持ち前の瞬発力でダイビングキャッチ。チームは1点差で敗れたものの、果敢なプレーで勝利に対する貪欲な姿勢を見せた。6月24日の北海道日本ハム戦では、1点を勝ち越した後の延長11回裏に登板すると、危なげなく3者凡退に抑えて今季初のセーブもマークしている。
野球選手としては決して大柄な体格ではないが、ダイナミックなフォームから繰り出す直球は150キロを超える。また、5月2日のオリックス戦で安達の打球を倒れ込みながらも好反応でつかみ、正確に一塁へ送球してアウトにするなど、球界屈指のフィールディングも備えている。それ以外にも、50メートルで6秒前後を計測すると言われている俊足の持ち主でもあり、2013年には代走として公式戦に出場した経験もあるほどだ。
リーグ首位に立つチームのすぐ後ろには、2位の福岡ソフトバンクが迫ってきている。夏場に向けて戦いはこれまで以上に過酷なものになり、投手陣の台所事情は否応なく苦しくなっていくだろう。そんなとき、僅差の試合を一つでも多く拾うために、福山のような経験豊富かつタフネスな投手の存在がますます重要になってくるはずだ。
今後、福山が防御率0.00という素晴らしい成績をいつまで継続できるのか。そしてチームが日本一に輝きながらも、投手としてポストシーズンでの出場を果たせなかった2013年とは違った心境で大舞台に立てるのか。今ではチームに欠かせない存在となった右腕の投球に注目していきたい。