対ホークス16戦0勝11敗、雄星はなぜ勝てない? 鷹打線の攻略法とは
追い込まれたら打率「1割台」、工藤監督が重視する「立ち上がり」
「追い込まれたら(打率は)1割台(になる)。ビシビシ来られたら、そうは打てない。そうなったら言い方は悪いけど、諦めて、みんなで右打ちとかをやっていくしかない」とも同コーチは言う。手も足も出ないほどの投球をされたら、しょうがない。それくらいの割り切りをもって、左腕に向かっているのだという。
現役時代に224勝をマークした工藤公康監督は「立ち上がりに打たれると、投手は不安になる」と経験則からよく話している。まさしく、この日の菊池がそうだったのではないだろうか。普段150キロを超えるストレートが、2回途中から140キロ台前半に落ち込んだ。フォームから躍動感が消え、マウンド上で萎縮している印象すら受けた。
藤本コーチは「相性が悪いんだろうね。向こうが嫌がってくれているのかもしれない、勝手にね」とも言う。プロ入り以降勝てていないことで、苦手意識が芽生え、左腕の心理面に少なからず影響を与えていることもあるかもしれない。
天敵の鷹打線。球界屈指の左腕となった菊池だが、真のエースと認められるためには、乗り越えなければいけない壁だろう。
【了】
福谷佑介●文 text by Yusuke Fukutani