「痛みはない。大丈夫」―WBC強化試合で死球、無念の骨折 西武・森友哉の今
守備練習を再開、トスバッティングも両手でスイング「まだ、2割ぐらい」
西武の背番号『10』が、グラウンドに戻ってきた。
今年3月5日に行われたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)強化試合の西武vsキューバ戦で受けた死球により左肘を骨折し、戦線離脱中の森友哉捕手が27日、ケガ後初めてブルペンでの投球練習で捕手を務めた。
豪腕・豊田拓矢投手の全力投球40球を、負傷した左腕一本でがっちり受け止め、「痛みはない。大丈夫」と、自らも確認。続いて行った室内練習場でのトスバッティングも、これまでは左腕に衝撃が伝わらないよう、両手で構えてもミートの瞬間は左手を離し、右手だけで振り抜く形が続いていたが、この日は最後まで両手でスイングし、本来の感覚を確かめるように丁寧にバットを振り続けた。
「まだ、2割ぐらいですよ」と、本人にとっては感覚のズレは大きかったようだが、ネットへ打ち込まれる打球は、どれも力強かった。とはいえ、焦りは禁物。マシン打撃は「もう少し様子を見てから」とのことだった。
その後も、全体練習が終わってから他の捕手メンバーに加わり、技術練習も再開した。久しぶりに大量の汗と泥まみれになり、「やっぱり、楽しいですね」と、充実の表情を見せた。「だいぶ時間はかかってしまいましたが、ここからは、守備も打撃も、本格的に調子を上げていきます」。
いよいよ、森友哉が、完全復帰への確かな一歩を歩みだした。
【了】
上岡真里江●文 text by Marie Kamioka