ソフトB武田、ほろ苦の復帰戦も…工藤監督「おかしい時よりは良くなった」
5回途中4失点で勝敗はつかず、「引っかかる感じがあった」
ソフトバンクの武田翔太投手にとっては、ほろ苦い復帰戦となった。28日の日本ハム戦(ヤフオクD)。右肩炎症から復帰し、4月12日の日本ハム戦(札幌D)以来の先発となったが、5回途中4失点で降板となった。
初回、2回と四球で走者を背負いながらも、無失点としていたが、2点リードの3回につかまった。先頭の清水に左前安打を浴びると、西川にこの日3つ目の四球を与え、1死一、二塁。松本の三ゴロを松田が弾く失策を犯して満塁とされると、中田に左前適時打を許して同点。田中賢の遊撃への適時内野安打で勝ち越された。
味方が勝ち越した5回にもレアードへの四球から大田、そして代打・大谷に連打を浴びて、再び同点に。代打・杉谷にこの日6個目となる四球を与えたところで、マウンドを降りた。チームは6-5で勝利したものの、5回2/3で8安打6四球4失点(自責点は3)の内容に、試合後は「引っかかる感じがあった。カーブの後の真っすぐが抜けたり、腕が下がって、カーブが横滑りになった」と反省した。
右肩の炎症の影響で、フォームに微妙な狂いが生じた右腕。ファームで登板した3試合でも本来の状態にはなかった。17日のファーム交流戦の巨人戦(タマスタ筑後)から中10日。ブルペンでのシャドーピッチングを繰り返すなど、リズムとバランスを取り戻すために、修正を繰り返した。
この日はファームで140キロ台前半しか出なかったストレートが140キロ台後半まで出るようになった。「前回に比べれば、感じは良くなった。真っすぐはだいぶ良くなってきたし、あともう少しリズムがあえば」と、約2か月半ぶりとなった1軍のマウンドで、いくばくかの手応えもあった。
「自分の納得がいくピッチングは、まだ先になるかな。ただ一時期のおかしい時よりは良くなっている。徐々に良くなっていくように、1週間で修正してくれれば」と工藤公康監督は言う。武田の復活は、まだ道半ばにある。
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福谷佑介●文 text by Yusuke Fukutani