西武・森慎二コーチが急死 突然の負傷で現役引退も、指導で手腕発揮
悲劇的な負傷で現役引退も、独立リーグで屈指の名将に
2005年オフ、ポスティングシステムを利用してMLB移籍を宣言。佐々木主浩などと同じ「ハイ・ファストボール&スプリッター」のタイプであることが注目され、3球団が応札。最高額の75万ドルを提示したタンパベイ・デビルレイズと2年140万ドルのメジャー契約を結ぶ。
189cmの長身。外国人選手に負けない大型投手であり、クローザー、セットアッパーとしての期待がかかったが、2006年のスプリングトレーニングで登板して右肩を脱臼。そのままシーズンを棒に振り、翌2007年途中に契約解除されてマイナー契約に。公式戦はメジャー、マイナーともに一度もマウンドに立つことなく終わった。
2009年に独立リーグ、BCリーグ石川ミリオンスターズの投手兼任コーチとなる。翌年には監督になる。指導者としては非常に優秀で、
2010年 前期優勝、総合優勝
2011年 前期優勝、総合優勝
2012年 前期優勝
2013年 前期優勝、総合優勝
2014年 後期優勝
と、在任中に前後期いずれかで優勝。独立リーグ屈指の名将と言われた。
2015年に古巣の西武に投手コーチとして復帰。2016年から1軍ブルペンコーチに就任していた。
同世代には、現役ではこのほど引退を表明した井口資仁、復活した岩瀬仁紀がいる。松井秀喜、黒田博樹、小林雅英、アレックス・ラミレス、今岡誠らも同世代だ。
投手としては突然の負傷で無念の引退を余儀なくされたが、指導者としては才能が開花しつつあっただけに、悔やまれる早逝だ。
【了】
広尾晃●文 text by Koh Hiroo