ホークス育成出身右腕の覚醒導いた“魔球”パワーカーブ その秘密とは?

“魔球”パワーカーブ、その秘密とは 握りは「伊藤智仁さんのスライダー」

 映像で見ているファンならば、その軌道が独特なものであることが分かるはずだ。一度、右腕から放たれたボールは打者に向かい、そこからブレーキを利かせ、急激に斜め左下へと変化していく。カーブの名手と言われるチームメートの武田翔太とはまた異なる軌道を描く。

 右腕の投球を支える“魔球”パワーカーブ。そこには、どんな秘密が隠されているのだろうか。

 石川のパワーカーブ。その握りを「伊藤智仁さんのスライダーと一緒です。それを真似して握っています」と明かす。かつて高速スライダーの使い手として名を馳せた名投手・伊藤智仁(現ヤクルト投手コーチ)。そのスライダーの握りは、幅が狭くなる部分の縫い目に沿って人差し指、中指を掛け、やや回転させるというもの。2シームに近い握りだった。

 その握りから、投じる際のイメージは「叩くイメージが強いですね。右打者の顔に叩き込む感じ」だという。独特のフォームから繰り出されるボールはスライダーの横回転ではなく、カーブの斜め回転となる。カーブでよく言われる「抜く」イメージではなく「叩く」のだという。

 以前から投げていたこのボール。ただ、石川自身の中では「スライダー」の位置付けだった(現に最近まで「スライダー」と呼んでいた)。ただ、その「スライダー」は「大きく曲がってどうしようもないボールだったんです。ずっとスラーブみたいな形で。どうしようもないから、それをスライダーと呼ぶしかないという中でずっとやってきました。決め球にしようとして、空振りを取れるようにというのもやってきましたけど、そうなるとどうしても安定しなかった」。

首脳陣評価も使い道に苦心した球種、いかにして効果発揮できたのか

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