イチローが語る“哲学” 野球は「自分の限界を見極められる唯一の手段」
準備は「言い訳の材料を作らない」こと、野球は「限界を見極めることができる唯一の手段」
動画では「成功」についても語っている。「僕が成功したかどうか、僕自身はわかりません」。こう話すイチローは、成功したかどうかは人が決めることだとして、「だから、僕はそもそも成功という概念が好きではないんですね」と言及。そして、「野球」への思いを明かす。
「自分が一番情熱を捧げられるものに対しては、向き合うことができる。それ以外のことだったら、もし壁にぶち当たったら、そこで引き返してしまったり、その壁を越えないと思いますけど、野球だけでそれを僕は出来ると思います。自分の限界を見極めることができる、唯一の手段だと思います」
昨年、日米通算安打でピート・ローズ氏のメジャー最高記録4256本を超え、“世界一“になったイチローは、8日(日本時間9日)現在で4331安打(NPB1277安打、MLB3054安打)までヒットを積み上げてきた。まさに幾つもの「壁」を越えて、途方もない数字に達した。
地球上の誰よりも多くのスイングを重ねてきたイチローは、日米通算4000安打を達成した時の記者会見で、「誇れることがあるとすると、4000のヒットを打つには、僕の数字で言うと8000回以上は悔しい思いをしているんですよね。それと常に向き合ってきたことの事実はあるので、誇れるとしたらそこじゃないかなというふうに思いますね」と話していた。
また、昨年6月にピート・ローズの通算安打数を超えたときには「僕は子供の頃から人に笑われてきたことを常に達成してきているという自負はある」とした上で「常に人に笑われてきた悔しい歴史が僕の中にはあるので、これからもそれをクリアしていきたいという思いはもちろんあります」とも胸中を明かしている。「悔しさ」とともに重ねてきた安打数は、これからも増えていく。その「限界」がどこになるのか、誰も想像できない。
(Full-Count編集部)