プロ2年目にして漂う大砲の風格 オリックス吉田正の2017年シーズンが開幕

吉田正復帰でさらに厚みを増すオリックス打線

 シーズン終了後の12月に台湾で行われた「2016アジアウインターベースボールリーグ」では、NPBウエスタン選抜の一員として全18試合に出場し、有望な若手選手の中にあっても圧倒的な存在感を見せ付ける。打率.556、30安打、6本塁打、29打点、57塁打の5冠を独占するという異次元の活躍。NPBウエスタン選抜チームをリーグ優勝に導き、最優秀打者にも選出された。

 このように、ルーキーイヤーからシーズンオフにかけて非凡な才能を発揮してきただけに、今季の吉田正には、阪神に移籍した糸井の穴を埋める活躍が期待されていた。しかし、オープン戦の終盤で腰痛が再発。開幕1軍入りを逃し、戦線離脱を余儀なくされる。患部の状態はなかなか回復せず一進一退の状況が続いたが、慎重に調整を進め、シーズンの折り返しも間近に迫った7月9日、本拠地で1軍復帰戦を迎えるに至った。

 吉田正の武器は、なんといっても、全身をフル活用して繰り出されるフルスイング。野球選手としては小柄な体格だが、思い切りの良さと強靭な下半身で本塁打を量産してきた。昨シーズンのオープン戦で、京セラドーム大阪の3階席の壁に直撃する一発を放つなど、その本塁打は打球速度も飛距離も規格外だ。一流投手の球を豪快なフルスイングで仕留め、表情を変えることなく打球の行方を見送る姿には、すでに大砲の風格すら漂う。

 現在、オリックスはリーグ4位。3位の埼玉西武とは6ゲーム差が開いている。5月は雨天中止を挟んで9連敗を喫し、5位転落も経験したものの、マレーロの加入やロメロの復帰などにより、「日本生命セ・パ交流戦」では6連勝を果たした。ここに吉田正の復活が加われば、オリックス打線の厚みは確実に増すだろう。

 球宴が終わると、長いシーズンの後半戦に突入する。目標だった「143試合出場」は叶わなかったが、若き大砲候補が描く美しいアーチに、否応なく期待が膨らむ。

【動画】復帰戦でタイムリーを放つ吉田正尚

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY