恩師も驚嘆する探究心 173cmでHR量産する吉田正尚、驚異長打力のルーツ
ドラ1でプロ入り後も「プレッシャーは感じなかった」
ただ、強いプロ志向を秘める中で、大学3年の秋の入れ替え戦で降格が決まり、勝負のドラフトイヤーを2部で戦うことになってしまった。吉田は当時について「正直、がっかりしましたね。大事な年に神宮でプレー出来ないのは、素直に辛かったです。でも、やれることをやるしかない。チームを1部に上げて、最後の秋に1部でプレーできるように、そこを目指して切り替えました」と振り返る。
2部降格が決まった年のオフには、ウエイトトレーニングを強化。この期間で体重を3キロ増やした。「レベルアップするためにやりました。見てくれる人は見てくれると思って、自らを奮い立たせました」。
4年春には、28回ユニバーシアード競技大会の大学日本代表に選出され、茂木栄五郎(早大、現楽天)、高山俊(明大、現阪神)選手らと共にプレー。この時の経験が、プロ入りへの意識をさらに強くさせたという。
「プロでやりたいという選手が集まっているところで、自分を試せる機会があってよかったです。体力、練習に対する準備など『自分はまだまだ足りないな』と実感しました。いろいろ考えさせられた時間でしたね」
チームに戻ってからは、勝負強さとプレーでの安定感が増したと善波監督も振り返る。精神的な成長も認められ、2015年のドラフトでオリックスから1位指名を受けて入団。しかし、ルーキーイヤーは腰椎椎間板症により、63試合の出場にとどまった。
「プロのプレッシャーは感じなかったですね。ただ、準備不足で『大丈夫かな』という不安は常にありました。でも、不安があるから頑張れるし、練習も意識を高く持ってできる。満足せずにやっています。シーズンに入ってからの流れは経験しましたが、1年間通して出場できていないので、今後は1年間通してしっかり戦えるようになりたいです」