恩師も驚嘆する探究心 173cmでHR量産する吉田正尚、驚異長打力のルーツ
東京五輪への想いも吐露、「年齢的にもチャンスがある」
オフに参加したウインターリーグでは、試合がナイターの時は午前中にプールに入って体を動かした。「少ない時間の中でどういう練習をしたらいいか」を考え、ここでもさまざまな方法を試した。
「練習も考え方もいろいろ変えながらやっています。『自分がやっていいと思ったことは最後までやる』。ずっとこの方法でやってきました。プロになっても、それだけは変えずにやっていきたいと思います」
今年3月には第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)での侍ジャパンの戦いぶりを見て「この場面では自分だったらどうするかな」と、自分に置き換えながら見ていたという。そんな23歳のスラッガーは2020年の東京五輪での代表入りにも想いを馳せる。
「自分も大学で日本代表に選んでもらい、なんとなく日の丸を背負うイメージはあります。『緊張するだろうな』と思って見ていました。その場に立った人しかできない経験をしていて、羨ましいとも思います。東京五輪は、年齢的にもチャンスがあると思う。野球人として、当然その舞台に立ちたいと思います」
大学日本代表でプレーした当時も「選ばれた以上は、やることはしっかりやってきた」。だからこそ、日の丸を背負う心構えは出来ている。
「選手の代表でもあり、国の代表でもある。結果は出ないこともあります。それでも、ベンチ内でのコミュニケーションなど、チームのためにできることがある。代表としてどういう振る舞いができるかが大切だと思います」
幼少期から遠くに飛ばすことに楽しさを覚え、フルスイングを続けてきた吉田。今では自身が理想とするスイングをすることが本塁打への近道と話す。
「自分のスイングができないように、バッテリーは工夫してくると思います。それでも対応できるバッティングを目指して、頑張りたいと思います」
173センチと決して大きくはないが、内に秘めるパワーは多くのファンの目を引き付ける。現在、4位につけるオリックス。持ち前の向上心で、フルスイングに磨きをかける吉田の活躍が、チーム浮上のカギを握る。
(篠崎有理枝 / Yurie Shinozaki)