11年ぶり日本人選手ゼロも…首位走る強豪Rソックスに日本人スタッフの存在

選手も感謝、サイ・ヤング賞右腕も絶大な信頼「しっかり説明してくれる」

 2015年オフ、レッドソックスに“移籍”した百瀬氏が、まず最初に取りかかったのが各選手と連絡を取り合うことだった。2014年11月に4年8800万ドル(約97億9000万円)の大型契約を結びながら、移籍1年目は期待通りの成績を残せなかったハンリー・ラミレスの場合、ドミニカ共和国まで直接会いに行き、進むべき方向について話し合った。気まぐれなラミレスのモチベーションをどう上げたらいいのか。飽きないように工夫したメニューを作り、継続させる努力をした。その結果、2016年、ラミレスは147試合に出場し、打率.286、30本塁打、111打点と復活を遂げた。

 百瀬氏との出会いに感謝しているのはラミレスだけではない。昨季22勝4敗、防御率3.15の成績でサイ・ヤング賞に輝いた右腕リック・ポーセロもその1人だ。

 今季はここまで思うような成績が残せず「支えてくれるスタッフに申し訳ない」と話すポーセロだが、昨季はローテを外すことなく223イニングを投げる堂々たる活躍。「健康に投げ続けるためのトレーニングメニューを作ってくれるんだけど、このトレーニングはどういう目的がある、こっちはこういう目的、という詳細を、しっかり説明してくれるんだ。だから、自分でも意識しながらトレーニングに臨めるし、何か質問があったり、変更を加えたい時は、いつでも耳を傾けてくれる。双方向でやりとりをしながら納得した上でトレーニングを進められるのは、キヨシが初めてかもしれない」と、大きな信頼を寄せる。

 百瀬氏は「リックはいいヤツだから、そういってくれるんですよ」と笑うが、今季からマーリンズへ移籍した田澤純一もしかり。移籍が決まった後の昨オフ「もう別の球団なのに、メニューを作ってくれて、何かあったらいつでも声掛けてって言ってくれました」と感謝の念に堪えない。

 移籍1年目の昨季は、レッドソックスがどんなチームなのか、選手はそれぞれどんなタイプなのか、内部から観察することに大半の時間を割いたという。その結果として見えてきたのが、チームや首脳陣主導だったパイレーツに対し、レッドソックスは選手主導のチームだということだ。

信頼関係構築に費やした1年間、「既存のスタイルを生かしながら」

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