“怪物”揃いのMLB遊撃手の中でも特別な存在? 驚異的守備を連発する2人の名手
シモンズとイグレシアス、今年のゴールドグラブ賞は2人の争い?
MLBの内野には、圧倒的な身体能力を生かした守備でスタジアムを沸かせる名手が揃う。そんな中でも、特に特別な存在と見られているのが、高い守備力を誇る遊撃手だ。メジャーでも一目を置かれる“怪物”たちが、驚異的なプレーを連発する。
今季、ア・リーグでは2人の名手がゴールドグラブ賞獲得へしのぎを削っている。メジャーNO1遊撃手の呼び声高いアンドレルトン・シモンズ(エンゼルス)と、若き名手のホセ・イグレシアス(タイガース)だ。シモンズは圧倒的な肩の強さを誇り、イグレシアスは柔らかいグラブさばきと超人的な動きで美技を見せる。
米データサイト「ファングラフス」が算出している守備指標「UZR」では、前半戦終了時点でイグレシアスがリーグ1位の7.7、シモンズが同2位の7.4となっている。同3位はヤンキースのディディ・グレゴリウスの5.2。昨年ゴールドグラブ賞に輝いたフランシスコ・リンドーア(インディアンス)は0.9だ。UZRは1年足らずのデータでは参考にならないともされているが、2人のレベルが高いということに異論は出ないだろう。昨年はシモンズが15.4だったのに対して、イグレシアスは11.6だった。
シモンズは4月27日の敵地マーリンズ戦で大砲スタントンのゴロを捕球すると、三遊間最深部からジャンピングスローし、まるでレーザーのようなボールを一塁に送って大きな話題となった。三塁方向へ体が流れた状態ながら、重力に逆らうかのような送球を繰り出したものの、MLB公式サイトのツイッターは「アンドレルトンなら簡単なもんさ」と伝えていた。
一方、イグレシアスは5月17日の本拠地オリオールズ戦で1死満塁の場面でマウンド後方へのボテボテのゴロを捕球すると、後方の二塁をほとんど見ることなくグラブトス。超人的なプレーに地元テレビの実況は「サーカスプレー」と驚きを隠せなかった。
守備職人に送られる「フィールディング・バイブル・アワード」には、ブレーブス時代から4年連続で輝いているシモンズだが、ゴールドグラブ賞は2014年を最後に穫れていない。一方、イグレシアスもキャリアで守備タイトルを獲ったことがない。今季はどちらかがゴールドグラブ賞を手にするのか、それともリンドーアら他の選手がタイトルに輝くのか。後半戦も、メジャー遊撃手の超人的な守備に期待したいところだ。
(Full-Count編集部)