負傷者続出も首位争い、鷹はなぜ強い? 「育成」と「競争」を可能にするモノ

負傷者続出も首位争い演じられる要因は

 先発投手でいえば、東浜巨が完全に1人立ちし、大黒柱として奮闘。攝津正や中田賢一、寺原隼人といったベテラン組が不振の中で、石川柊太、松本裕樹という若い投手2人がローテに入った。石川は4勝、松本は2勝を挙げ、苦しい台所事情を救った。野手面も、デスパイネ、内川の2人を欠いた期間はそれほど長くなかったが、その間は川島や長谷川勇、明石、江川といった、普段は控えに甘んじる面々がスタメンに入った。

 これだけ負傷者が出て苦しい中で、首位を争えてきた要因は「競争」と「育成」の連鎖の賜物であると言えるだろう。

「競争」。これは、2015年に監督として就任した工藤公康氏が常々、口にしてきたことである。どれだけ期待されている若手であっても、力が劣っていながら、将来の育成のためにポジションが与えられる、といったことはない。あくまでも競争の上で、力でポジションを奪うしかない。今季定位置を掴んだ上林、甲斐も力で奪ったもの。ただでさえ、主力のレベルが軒並み高いソフトバンク。その主力を追い抜くためには、それ相応の努力が必要になる。

 となれば、選手たちは、練習するしかない。他球団よりも一際高い壁を越えるために、だ。そして、編成面においても、高い壁を次々に選手たちの前に置く。外国人では2015年にはバンデンハーク、2016年にはスアレス、そして今季はデスパイネ、ジェンセン、シーズン中にはモイネロ、コラス(ともに育成契約だが)の2人を補強。日本人でも昨季は和田毅、今季は川崎宗則をチームに加えた。

「競争」と「育成」を可能にしているモノ

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