「だから本塁打でも大喜びしない」韓国人メジャーリーガーが貫く流儀の裏側

レンジャーズ・秋信守【写真:Getty Images】
レンジャーズ・秋信守【写真:Getty Images】

メジャー13年目で“松井超え”迫る秋信守「日本に行くことが目標だった」

 アジア出身の現役メジャー選手で最も長いキャリアを送っているのは、ご存じの通り、イチロー外野手(マーリンズ)だ。昨年メジャー通算3000安打を達成した“レジェンド”は、17年目を迎える今季も安打数を積み重ね、殿堂選手がズラリと並ぶ歴代順位を駆け上がっている。

 そんな背番号51の後を追うように、確かな足取りでメジャー13年目のシーズンを送るのが、レンジャーズの秋信守外野手だ。今季前半を終えてメジャー通算158本塁打を記録。アジア出身の野手としては、松井秀喜氏がヤンキースなどで記録した通算175本塁打に続く歴代2位の数字だ。今年で34歳。2013年オフに結んだ7年1億3000万ドル(約148億2800万円)という大型契約が2020年まで残っていることを考えると、秋が記録を塗り替えることは、ほぼ間違いなさそうだ。

「メジャーのグラウンドに足を踏み入れたい。メジャーの試合で1打席でもいいから立ちたい。それが自分の目標だったんだ。1週間、いや1日でいいからプレーできればいい。マイナー時代はそれだけを目指していたんだ」

 長いキャリアの第一歩が方向付けられたのは、高校生の時だった。それまで韓国と日本の野球しか見たことのなかった秋は、テレビでドジャースのユニフォームを着てマウンドに立つ朴賛浩の姿を見て、衝撃を受けたという。

「子供の頃はテレビでずっと日本の野球を見ていたんだ。イチロー、新庄(剛志)、松井(秀喜)、高橋(由伸)……。だから、韓国でプロ野球選手になって日本に行くことが目標だった。それがメジャーで投げる朴賛浩を見て、こんな世界があるんだってビックリしたよ。世界中のトップ選手が集まる場所だって聞いた瞬間、ここだ、自分はここでプレーしたいって思ったんだ」

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