打率1割台の苦悩から2年 真摯な努力で信頼を勝ち取った楽天ウィーラー

楽天のゼラス・ウィーラー【写真:荒川祐史】
楽天のゼラス・ウィーラー【写真:荒川祐史】

来日1年目は4度の登録抹消、多くの苦難を乗り越えていたウィーラー

 7月9日、楽天は「We love ウィーラー!」と銘打ったイベントを開催した。昨年も大好評を博したこのイベントの存在こそ、楽天の主砲ゼラス・ウィーラー内野手が、チームから厚い信頼を寄せられている証拠だろう。しかし、来日3年目を迎え、ユニークなキャラクターでファンに愛されているウィーラーも、現在の地位を手に入れるまでには多くの苦難を乗り越えなければならなかった。

 内外野全てをこなせるユーティリティプレーヤーという触れ込みで2015年に来日し、楽天に入団したウィーラー。同年の開幕戦で見事、来日初本塁打を放つという好スタートを切ったが、以降は深刻な打撃不振に悩まされることに。2番で起用されるケースもあったが結果を残せず、7月31日までに4度もの登録抹消。度重なる再調整を余儀なくされた。

 しかし、ウィーラーは真摯に日本球界に溶け込む努力を続け、その姿勢が最終盤に結果へと結びつく。同年8月20日から4番に座ると、9月と10月だけで8本塁打をマークし打率も3割3分を超えるなど大爆発。「明日もいくわよ」とファンに呼びかける陽気なヒーローインタビューもお馴染みとなっていった。

 最終的に2015年の成績は91試合に出場して274打数70安打14本塁打50打点、打率.255というもので、無事翌年の契約も勝ち取った。

 来日2年目となった昨季、ウィーラーはさらなる進化を遂げる。梨田新監督によってシーズンの大半で4番を任されると、随所でその長打力を発揮して指揮官の期待に応える。チーム状況に応じて三塁と左翼を守り分けるなど、守備でも持ち前のユーティリティ性でチームを助けながら、前年比でほぼ倍増、リーグ全体でも3位タイとなる年間27本塁打を記録。主砲としての責任を、しっかりと果たしてみせた。

今季も序盤は低空飛行も…

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