108日ぶり勝利のソフトB武田、復調の要因 「やる気ない感じになるけど…」

如実に変化があらわれたグラブの位置

 ヒントがあったのは、ある日の練習中。遠投をしている最中だった。「体に力が入っていると、遠くには投げられないんです」。自らのフォームに、無意識の力みがあることに気付いた。「やる気のない感じになるけど、そのために腕の位置も下げました。強制的に体に力が入らないようにした」。

 如実に変化があらわれたのは、ノーワインドアップの時のグラブの位置だ。モーションに入る時、これまでは胸の前やお腹の前に据えていたグラブの位置が、この日は下腹部辺りまで下げられていた。腕や体から「強制的に」脱力させるために、辿り着いたのが、この形だった。

 6回を、わずか1安打。この日の武田の投球には、明るい兆しを感じさせた。白星は今季初登板だった4月5日の楽天戦(Koboパーク)以来、実に108日ぶりで、ようやく今季2勝目をあげた。「たくさん迷惑をかけたので」。勝負の後半戦。約2か月半、戦列を離れた右腕が、これまでの遅れを取り返す態勢を整えた。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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