将来の夢は宇宙業界勤務、京大目指す北野高の好左腕が最後の夏に幕

「京大に入学できれば、野球部に入って、また投手としてプレーしたいです」

 だが、3月に入るとヒジに痛みを覚えるようになった。冬場のオーバートレーニングなど、熱が入りすぎてしまい、予想外に体に負担がかかってしまっていたのだ。蓄積疲労の影響で痛みを帯びていたが、以降は痛みを堪えながらマウンドに立った。

 この日も強力打線に立ち向かっていったが「相手の打線が予想以上に素晴らしかった。こちらもなかなかチャンスをもらえなかったです。攻める姿勢は忘れないようにしていたのですが、全体的には浮足立ってしまったところもありました。でも牧野はよく投げてくれました」と小谷内和宏監督。点差は開いてしまったが、北野のマウンドを最後まで守り続けたのはエースの意地だった。

 高校野球はこれで終わりになるが、明日からは受験勉強が待っている。28日まで午前中に授業があり、明日も朝から登校。しかも今日受験するはずだった模試にも臨む予定だ。志望大学は京都大だ。

「京大に入学できれば、野球部に入って、また投手としてプレーしたいです」

 将来の夢は宇宙関係の仕事に就くことだ。幼いころから憧れを抱いてきた宇宙の世界に触れ、未知なる世界を切り開いていきたいという。甲子園という夢は叶わなかったが、これからはさらにスケールの大きな夢へ挑んでいく。

(沢井史 / Fumi Sawai)

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