熱狂的ファンも「達成感」 イチローの3000本を見届けた男性の“旅”が話題に
偉業達成までイチローを追い続けるも「ちょっとだけナーバスに」
イチローは2015年に153試合出場も、打率.229と苦戦。シーズン91安打に終わった。予想よりも多くの出場機会に恵まれたが、後半戦に失速。残り65本で2016年を迎えることになり、開幕前には多くの米メディアで偉業達成への特集が組まれるなど、注目が集まった。
記事によると、ウェルズさんはXデーは7月と算出。「おたくっぽい計算を全てやったんだ。そして、これだ。(7月)24日になるだろう。クールじゃないか。ホームスタンドなんて、完璧だ。間違いなく実現するだろう」。マーリンズは7月22日からマイアミで本拠地10連戦を予定していた。マイアミ行きのフライトに乗る時には3000本まであと4本と、“読み”は冴え渡っていた
ただ、イチローはこの本拠地での連戦も代打での出場が続き、ヒットはなかなか生まれなかった。「クラウドファンディング」で資金援助を募っていた“世界一のイチローファン”、エイミーさんもマーリンズを追い続け、スタンドでは毎日のように日本のテレビ中継でも抜かれていたが、打席に立つ回数が少なければ、当然ヒットを打つチャンスも少なくなる。足踏みが続いた。
本拠地10連戦でイチローに最初のスタメンの機会が訪れたのは、26日のフィリーズ戦。「彼らはやっと先発にしたんだよ」というウェルズさんの前で5打数1安打だった。心の中には「少し、ちょっとだけナーバスになり始めたんだ。これはどれぐらいかかるんだろう。自分が計画していた13日間で実際に実現するのだろうか、とね」と焦りが生まれ始めていたという。
イチローは28日のカージナルス戦で代打で安打を放ち、カウントダウンは「2」に。その日の試合後、マーリンズは球団公式ツイッターでイチローが29日の試合に先発出場することを発表した。ここで達成が期待されたものの、4打数無安打と“沈黙“。マーリンズ・パークに駆けつけた多くの地元ファン以上にウェルズさんが落胆したのは想像に難くない。結局、マイアミで歴史的瞬間が訪れることはなく、シカゴでのカブス3連戦を観戦するために一時帰宅したと記事で振り返っている。
しかし、シカゴで背番号51に1本もヒットは出ず、ウェルズさんは13時間の運転でデンバーへ。7試合連続無安打となっていたイチローはこの時、地元メデイアの取材に通訳を通じて「打席に向かうたび、プレッシャーを感じていますが、様々なタイプのプレッシャーがあり、これは違うタイプのプレッシャーです」と胸中を吐露したことを、地元紙「サンセンチネル」などが伝えていた。