熱狂的ファンも「達成感」 イチローの3000本を見届けた男性の“旅”が話題に
「僕にとっても、達成感があったんだ」
それでも、ウェルズさんの“イチロー行脚”15試合目で光明が……。背番号51は6日のロッキーズ戦で内野安打を放ち、ついに2999安打に。そして、運命の8月7日を迎えた。3連戦最終戦でヒットが生まれなければ、ウェルズさんはマイアミに戻ることになる。それは最悪のシナリオだったようだ。その際は、デンバーに車を置いてマイアミへのフライトに乗り、3000本安打が見られた場合はデンバーに飛行機で戻って、家まで再び13時間ドライブする予定だったという。
イチローはこの試合に「6番・センター」で先発し、7回の第4打席でフェンス直撃の三塁打をマーク。史上30人目の通算3000安打を達成した。敵地で沸き起こるスタンディングオベーションの中、イチローはヘルメットを脱ぎ、歓声に応えた。
苦難の時を過ごした格好のウェルズさんには、もはや他人事ではなかったようだ。「僕にとっても、達成感があったんだ。バカバカしく聞こえるかもしれないけれど、本当なんだ。(観戦したのは)17日間で16試合だったんだよ」。特集で紹介されているこのコメントからは、イチローの3000安打がファンにとっても感動的な瞬間だったことが伝わってくる。
メジャー史に残る偉業について、イチロー自身も試合後の記者会見で以下のように振り返っていた。
「この2週間強、ずいぶん犬みたいに年取ったんじゃないかと思うんですけど、あんなに達成した瞬間にチームメートたちが喜んでくれて、ファンの人たちが喜んでくれた。僕にとって3000という数字よりも僕が何かをすることで僕以外の人たちが喜んくれることが、今の僕にとって何より大事なことだということを再認識した瞬間でした」
偉業を見届けたウェルズさんのような熱心なファンの喜びも、イチローにとって、感慨に一層の深みを加えることになったのは確かだろう。
(Full-Count編集部)